はじめに
昨年、2020年に設立20周年を迎えた株式会社ランドネットは人工知能(AI)や拡張現実(AR)、仮想現実(VR)システムの開発・導入、不動産投資を行う顧客へのオリジナルアプリ提供など、最先端のITを駆使した不動産投資関連サービスを提供しています。ランドネットの“不動産×IT”という特徴から、「不動産テック企業」と呼ばれています。
ランドネットは先ごろ、東京証券取引所JASDAQスタンダード市場に株式を上場しました。投資家の期待に応え、初値は公募価格から約38%アップとなりました。
ランドネットの創業者であり、社長の榮(さかえ)章博氏は上場に際しての記者会見で、このタイミングの上場について、ランドネットをさらに大きくするためだということを語っています。加えて、知名度向上によるリクルート対策、顧客からの信頼性獲得、なども考慮したといいます。
第2の創業期を迎えたランドネットの事業概要や、創業者の榮(さかえ)章博氏の経営方針などをまとめてみました。
ランドネットの不動産投資とは?
人間の平均寿命は食生活、医療の進歩で伸びており、人生100年時代といわれるようになっています。年金受給年齢は先延ばしになっており、銀行金利は超低金利の状態が続いています。定年後、そして老後の生活を年金だけで賄っていくのは困難です。政府は貯蓄に加えて、投資による資産運用に対しての優遇策などを打ち出しています。
そうした中、ランドネットは「不動産を通して生活者が豊かに暮らせる提案をしていきたい」「お客さまの豊かなライフプランを実現するための最高の“個人資産運用顧問(プライベートリアルター)”でありたい」、そういった目標を掲げ、事業展開しています。
そこでメインとしている事業が不動産投資サービスです。ランドネットの不動産投資は中古マンション物件を利用して行われています。ランドネットの投資用ワンルームマンションの取引高、契約件数は、いずれも業界トップクラスです。投資用物件の仕入れから、不動産の売買、賃貸管理、リフォーム・リノベーションまで、ランドネットはワンストップで展開し、顧客の不動産投資をサポートしています。
ランドネットは不動産を住まいとしてだけでなく、顧客の生活や将来を支える、ライフプランを実現する資産として考えています。ランドネットが取り扱う物件は中古ワンルームマンションが中心であり、仕入れた物件は仲介業者を通すことなく、顧客に販売されます。この物件はリフォームやリノベーションされ、賃貸に出されます。ランドネットはオーナーである顧客に代わり、管理・運用を行っていきます。
このランドネットの不動産投資のプロセスでは最先端のIT導入、フル活用が大きな特徴となっています。AIやAR、VRなどの導入、投資した物件の管理を行うためのスマートフォン用オリジナルアプリ開発・提供など、先進的な取り組みが行われています。不動産業界において、独自性のある「不動産テック企業」として、さらに成長していくでしょう。
ランドネットの強みは?
ランドネットにはグループ内に不動産売買を行う営業部門、不動産コンサルティング、リフォーム・リノベーション、賃貸管理など、不動産投資に関わる全ての部門があります。ワンストップで効率的に取り引きを行うことができるということが強みとして挙げられます。
しかし、ランドネット最大の強みはなんといっても、ITエンジニアリングの内製化できる高度なレベルのスキルを持った情報システム部門があるということではないでしょうか。
ランドネットは不動産営業活動にデータベースシステムやAIやAR、VRなどの最先端技術導入し、業務の効率化やコストダウンを実現しています。IT化によるコストダウンは売買価格に反映されます。つまり売り手はより高い金額で売却できますし、買い手はより安い金額で購入できます。また、ランドネットはスマートフォンアプリを開発しており、物件管理の効率化が図れるだけでなく、投資効果も可視化することができます。
また、ランドネットは売り手から自社で仕入れた物件を、ほかの不動産仲介会社などを通すことなく、買い手に直接販売する「ダイレクトワンルーム」というサービスも展開しています。売買の仲介手数料を抑えることができることから、価格競争という面でランドネットの大きな強みになっているのはいうまでもありません。
榮章博社長が目指す今後のランドネット
ランドネットの榮(さかえ)章博社長は大手不動産会社の出身です。IT化が進んでいなかった不動産業界で、当時としては珍しかった不動産流通データベースシステムを開発しました。その後、1999年、榮章博社長がランドネットを設立した際、最初に取り組んだのもやはり不動産流通データベースでした。
榮章博社長はランドネットが株式上場した際の記者会見で、このタイミングで上場した理由の一つとして、知名度の向上とそれによるシステム開発技術者のリクルーティングを挙げています。ランドネットは榮章博社長の下、業界のIT化をリードし続けてきました。さらなる飛躍を目指し、システム開発部門の強化を図っていくようです。
榮章博社長はランドネットの経営理念として「最新のテクノロジーを活用して不動産流通業を革新する世界No1企業」を掲げていますが、システム開発部門のさらなる強化で今後も業界の革新を進めていくことでしょう。
また、ランドネットは国内の不動産物件の売買から賃貸、リフォームやリノベーション、さらには管理と、物件オーナーとなった顧客がすべてのプロセスで満足できるよう、事業に取り組んでいます。
榮章博社長は国内のみならず海外の投資家、海外の物件についても同様に提案できる、事業のグローバル化を進めています。ランドネットは国境を越えて、不動産を自由に売買・賃貸できるノウハウを持っています。また、台湾・香港に現地法人を置いていることに加え、外国籍従業員の採用を積極的に行っています。
IT、為替レートなどをうまく活用できれば、海外の不動産を有利に購入できる可能性が広がります。榮章博社長、そして、ランドネットは世界中の人々が世界中の不動産を、自由に売買できる世の中をつくり、不動産流通業のさらなる革新に取り組んでいきたいと考えているそうです。
ランドネットの株式上場!注目された株価
2021年7月21日、ランドネットは東京証券取引所のJASDAQスタンダード市場に新規上場しました。公募株数が28万4,000株、売出株数は12万6,500株で、公募価格は3,830円でした。
抽選申し込みは2021年7月6日から7月12日まで行われました。申し込み締め切り翌日の7月13日に当落発表され、当選者は申し込み期間の7月14日から7月19日までに購入しました。
証券コード2991で上場したランドネットの初値は公募価格を約39%上回る5,320円となり、投資家の期待に応える結果となりました。
この度の新規上場を機に、株式公開企業としての責任を自覚し、さらなる業容の拡大とともに企業価値向上を図り、ステークホルダーの皆様のご期待に沿えるよう努めてまいる所存ですので、今後とも変わらぬご理解とご支援を賜りますよう宜しくお願い申し上げます。
東京証券取引所市場JASDAQスタンダード市場への新規上場に関するお知らせ(ランドネットコーポレートサイト)
まとめ
株式会社ランドネットは「最新のテクノロジーを活用して不動産流通業を革新する世界No1企業」を目標に掲げ、独自の不動産情報データベース構築やマンション管理を行うためのスマホアプリ開発など、IT分野で先進的な技術開発への取り組みを行っています。
上場に際しての記者会見で榮章博社長は「ワンルーム以外の間取りのマンションや、戸建てなどの取り扱いを拡大していきたい」と語っています。IT部門の強化、取り扱い物件の拡大、ビジネスのグローバル化など、今後のランドネットの事業展開から目が離せません。
会社概要
商号
株式会社ランドネット
所在地
〒171-0022 東京都豊島区南池袋1-16-15 ダイヤゲート池袋 7階
コーポレートサイト
事業内容
不動産投資事業、投資用中古マンションの売買・売買仲介・賃貸・賃貸仲介・賃貸管理、不動産コンサルティング、不動産投資セミナーの開催、不動産賃貸事業、リノベーション事業・リフォーム事業、不動産クラウドファンディング事業